事務所ニュースvol.273 03.08在籍型出向について
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2021年8月1日
事務所ニュース Vol.273
在籍型出向支援
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業の一時的な縮小などを行う企業が、人手不足などの企業との間で「在籍型出向」を活用して従業員の雇用維持を図る取り組みがみられています。
こうしたコロナ禍における雇用維持を目的とした在籍型出向の取り組みを支援するため、厚生労働省では、地域の関係機関等と連携することなどにより、出向情報やノウハウの共有、出向の送り出し企業や受け入れ企業の開拓などを推進しています。
在籍型出向とは?
いわゆる出向とは、労働者が出向元企業と何らかの関係を保ちながら、出向先企業と新たな雇用契約関係を結び、一定期間継続して勤務することをいいます。このうち、在籍型出向は、出向元企業と出向先企業との間の出向契約によって、労働者が出向元企業と出向先企業の両方と雇用契約を結ぶものをいいます。
在籍型出向と労働者供給の関係
■労働者供給とは?
○労働者供給は、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させるもの(労働者派遣(※)に該当するものを除く。)をいいます。
※労働者派遣法第2条第1号の「労働者派遣」を指します。
○労働者供給を「業として行う」ことは、職業安定法第44条により禁止されています。
■一般的な在籍型出向の取扱い
○在籍型出向の形態は、労働者供給に該当するものですが、
①労働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保する
②経営指導、技術指導を実施する
③職業能力開発の一環として行う
④企業グループ内の人事交流の一環として行う
等のいずれかの目的があるものについては、基本的には、「業として行う」ものではないと判断されます。
■コロナ禍における雇用維持を目的とした在籍型出向の取扱い
○新型コロナウイルス感染症の影響等を受け、事業の一時的な縮小等を行う事業主が、人手不足等の事業主との間で在籍型出向を活用して労働者の雇用維持を図るために行う取組みについては、基本的には、上記①に類するものとして、「業として行う」ものではないと考えられます。
○なお、例えば、当初から出向させることを目的として雇い入れて出向を命じたり、コロナの影響がなくなった後に新たに出向を命じたりするなど、 コロナ禍の雇用維持の目的と考えられる範囲を超えることのないよう、留意が必要です。
※在籍型出向は、出向先企業と出向労働者との間に雇用契約関係があるため、労働者派遣には該当しません。
在籍型出向するにあたって必要な準備
○在籍型出向は、労働者の個別的な同意または就業規則等の社内規程に基づき行う必要があります。
○そして、在籍型出向をするにあたっては、出向の必要性や出向期間中の労働条件等について、出向先企業や労働者とよく話し合った上で、出向契約の内容や出向期間中の労働条件等を明確にしておくことが重要です。
新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に仕事が無くなった企業から、慢性的に人手不足な企業や、新型コロナウイルス感染症により需要が伸びている企業に出向しているという話も聞くようになりました。このことは、感染症の影響が収まって経済が回復した際には、会社に必要な能力をもった貴重な人材なのでいずれ自社に戻ってくることを前提に、今は他の企業で働いてもらいたいといった考えから行われています。ずっと休業しているよりも、別の会社で働くことにより自社では得ることの出来ない経験が出来、また能力向上にも繋がると考えられます。
○当事務所からのお知らせ
・誠に勝手ながら、8月13日(金)から16日(月)まで、夏季休暇とさせていただきます。
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後記