事務所ニュースvol.277 03.12雇用保険マルチジョブホルダー制度について
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2021年12月1日
事務所ニュース Vol.277
【 雇用保険マルチジョブホルダー制度について】
65歳以上の方を対象として令和4年1月1日から、「雇用保険マルチジョブホルダー制度」が施行されます。
雇用保険マルチジョブホルダー制度とは
・従来の雇用保険制度は、主たる事業所での労働条件が週所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込み等の適用要件を満たす場合に適用されます。
これに対し、 雇用保険マルチジョブホルダー制度は、複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の適用対象者の要件を満たす場合に、 本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から 特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度です。
・マルチ高年齢被保険者であった方が失業した場合(*1)には、一定の要件(*2)を満たせば、高年齢求職者給付金(被保険者であった期間に応じて基本手当日額(*3) の30日分または50日分の一時金)を受給することができるようになります。
(*1)2つの事業所のうち1つの事業所のみ離職した場合でも受給することができます。ただし、上記2つの事業所以外の事業所で就労をしており、離職していないもう1つの事業所と当該3つ目の事業所を併せて、マルチ高年齢被保険者の要件を満たす場合は、被保険者期間が継続されるため、受給することができません。
(*2)離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること等の要件があります。
(*3)原則として離職の日以前の6か月間に支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額の、およそ5~8割となっており、賃金の低い方ほど高い率となります。
雇用保険マルチジョブホルダー制度の適用対象者
マルチ高年齢被保険者となるには、労働者が以下の要件をすべて満たすことが必要です。雇用保
険マルチジョブホルダー制度の場合、雇用保険の適用には本人の申出が必要です。加入後の取扱い
は通常の雇用保険の被保険者と同様で、任意脱退はできません。
マルチ高年齢被保険者となるための手続等
・通常、雇用保険の被保険者に関する手続は、事業主が行いますが、雇用保険マルチジョブホルダー制度は、基本的に、マルチ高年齢被保険者としての適用を希望する本人が手続を行う必要があります。ただし、資格喪失する際の事由が、マルチ高年齢被保険者の死亡等である場合には、例外的に事業主に届出を行っていただきます。
・手続に必要な証明(雇用の事実や所定労働時間など)は、本人が事業主に記載を依頼して、適用
を受ける2社についての必要な書類(賃金台帳・出勤簿等)を揃えてハローワークに申し出ます。
事業主は、労働者から証明を求められた場合は、速やかにその証明を行わなければなりません。
また、事業主は、マルチジョブホルダーが申出を行ったことを理由として、不利益な取扱いを行
ってはいけません。
・なお、どうしても事業主が必要な証明書等を行わない場合は、ハローワークから事業主に対して確認を行います。
・雇用保険の成立手続が済んでいない場合は、別途手続が必要です。
・マルチジョブホルダーがマルチ高年齢被保険者の資格を取得した日から雇用保険料の納付義務が発生します。
基本的は手続の流れ
*ご不明な点等ございましたら、当事務所までお問い合わせください。
〇当事務所からのお知らせ
・第3期分労働保険料の納入について
口座振替の事業所様は、令和4年1月12日(水)にご指定の口座よりお振替えさせていただきます。詳細につきましては後日発送致します「労働保険料等口座振替のお知らせ」にてご確認をお願いします。
振込の事業所様は、令和4年1月31日(月)をお振込期限とさせていただいております。詳細につきましては今月末に「労働保険料等納入のお知らせ」を発送致しますので、ご確認をお願いします。
・年末年始の休業日について
12月29日(水)~1月4日(火)まで年末年始の休暇とさせていただきます。
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後記